Connoisseures Club -- Apr. 2004 -- ROYAL BLACKLA
テイスティングノート 山崎 白秋記 今月のお題は、「ハイランドの隠れた名酒、ロイヤル・ブラックラ」である。 ややマイナーな蒸留所であり、オフィシャルボトルとしては花と動物シリーズ以外めったにお目にかかれない。 しかしボトラーズものは、なかなかできのよいモルトが出回っているところが、お題のようにいわれる所以であろうか。
5本をテイスティングしての全体的なイメージは「繊細さ、さわやか」である。ただしスペイサイドものにくらべるとややドライである。
さて、本題の5本を紹介しよう。 ***[NO.1] オールドモルトカスク 1979 20年 50% *** (香り)まず香ってくるのは非常に華やかなフルーツ香、もも系のフルーツである。さらに奥には、梨などいろいろなフルーツを感じることができる。 その後、樽由来の深みのある熟成香が香ってくる、ただし押し出しは強くなく上品なものである。フルーツ香、熟成香、さわやかな酸味を感じさせ、香りのバランスがよくとれている。 (味)味の方はややドライである。樽からくるのかやや湿った古臭い「ふくみ香」がある。熟れたグレープ味。フィニッシュはブナハーブンによるある、口に残るものがある。
(香り) トップノートはリフィルシェリーと思われるやさしいシェリー香である。香りの立ちが良く、グラスを回せば即座に「良い香り」と感じさせるモルトである。ももを感じさせるさわやかなフルーツもここちよい。 しばらくすると、ウッディーな熟成香に満たされ、蒸留所のセラーにいるようである。 (味)熟成感がすばらしい、シェリー香と酸味のバランスもよい。味もウッディーでこれだけで満足してしまうモルトである。
(香り)これもリフィルシェリーを感じさせる、ほのかなシェリー香、度数のわりにアルコールが鼻をつく。 しだいにシェリー香は強くなり、こげたゴムを感じるようになる。ただし押し出しの強いものではないので、シェリー樽きらいの飲み手にも受け入れられるモルトである。 (味) フルーティー。ややこげたシェリーを感じる。香ばしさが邪魔するのか、熟成は年数ほど感じられない。
***[NO.4] キングスバリー 1979-1997 18年 62.3% *** (香り)香りの立ちが早く、かつ非常に強い香り。ややこげているシェリー香である。 その後甘いバニラ香に満たされる。さらにさわやかなリンゴの香りも感じられ、非常に複雑な香りである。 濃厚ではあるが、さわやかさを併せ持っているところがこの蒸留所の面目躍如といったところか。 (味)香ばしさを感じる、シェリー樽の個性。ピリピリとシャープである、グレープ系のフルーツ。やや若さを感じるところが残念である。
***[NO.5] スコッチ・シングル・モルト・サークル 1979-2002 23年 62.8% *** (香り)華やかでフルーティー、熟れたももの香り。度数からくるアルコールの刺激。奥にややシェリー香。 その後さわやかな甘い砂糖水の香りが鼻を抜けてくる。 (味) 香ばしい。やや「いがいが」するが軽いピートからくるものであろうか、はっきりとピートといえるものではない。 やはりアルコール感は強い。ドライではあるが甘さも感じる。
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★<タイトル>ロイヤル・ブラックラ! 投稿者/惹樽(管理人) 投稿日/2004年04月26日(月)0時14分 今月のモルト会のテーマは、スーパーマニアックなロイヤル・ブラックラばかり5本!でした。今回も自分のボトルが3本入っていたので、かなりレベルが高いことは分かっていましたが、思っていた以上のハイレベルだったので大満足でした。 面白いことに値段が安かった3本が評価が高かったですね。特に2番目のシグナトリーのシェリーものは自分の持っているボトルの中でも特に気に入っていたものなので、No.1の評価をもらってとても嬉しくなりました(でも値段は一番安い!)。先にシェリーものは敬遠される傾向にあるみたいなことを書きましたが、よくできたものには本当に美味しいものがあるということが再確認できたという意味でも意義がありました。 皆さんのブラックラに対する評価を大きく変えた(初めて飲んだ方もいらっしゃいましたが)ようで、やっぱり同じ蒸留所を集めると盛り上がるという、Stand Bar マスターの話を再確認した形になりました。
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