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SMWS試飲会 テイスティングノート

   2004.1.18 BAR BARNSにて

山崎 白秋   

 

 ★★★ [NO.1] 1.105   グレンファークラス   26年   51.8%  ★★★

【香り】ファークラスの長熟ものでありながらドライにかんじるのは、香りの立ちが遅いせいであろうか。その後、酸味を伴うナッティーな熟成香がひらいてくる。かすかにピート香をかんじる。

【味】やはりドライである、熟成感は26年を期待するとややはずされるが、ミディアムボディで洗練された長熟といったかんじで、何杯でもいけそうである。

 

 ★★★ [NO.2]  53.68   カリラ   9年   60.6%  ★★★

【香り】シャープなピート香が非常に心地よい。ビーフジャーキーのスモークと酸味がほどよくバランスしている。わかさゆえのストレートなピートがアイラ好きにはたまらない。

【味】ピートは強く、やや若さを感じる、カリラとしては甘味を感ずるのは若さゆえであろうか。酸味が甘味とバランスをとっており、アイラの常備モルトとして一本は持っておきたい。




 ★★★ [NO.3]  55.13   ロイヤルブラックラ    8年  55.0%  ★★★

【香り】甘い香りにつつまれる、やさしい砂糖水の印象。シェリー香とかすかなピート香。こげた香りが奥のほうに。いつもやさしい印象はこの蒸留所の個性であろうか。

【味】酸味を感じる、やや若さを感じるが、シェリーとひねた香りがすぐさま若さを消してくれる。

 わかくても、非常にうまいつくりをしているモルトである。

 

 ★★★ [NO.4]  57.13  グレンモール  21年   65.2% ★★★

【香り】トップノートは上品なフルーツの盛り合わせ。たいへんさわやかである。 かすかに酸味をかんじさせ、甘い香りで包まれる。いままで、この蒸留所にいだいていた、古い、かびた、ひねた、いがいがした、そんな印象はすこしもないアカルイモルトである。

【味】酸味とフルーティーでたいへん飲みやすい。ただぴりぴりと口のなかではじける感覚もあり、度数の高さを思い知らされる。この度数でこの飲みやすさ、飲みすぎは禁物である。

 ★★★ [NO.]   119.2  山崎  24年    57.4%    ★★★

【香り】長熟を感じさせるバーボン樽由来のエステリーな香りがすばらしい。その後伽羅を思わせる独特の香りとともに不思議の国へとひきずりこまれる。 ミズナラ樽熟成とのコメントがあるが、バーボン樽でフィニッシュしてあると感じる。

【味】味の方も、香りと同じようにエステリーで伽羅おもわせる味わいである。酸味がほどよくバランスしている。

★★★ [NO.]  119.7  山崎  13年     61.9%   ★★★

【香り】 熟成香を強く感じるが、わざとらしい熟成香とでもいおうか。 エステリーな熟成香のみがたってきて、他のしぶみやら、木のかおりやら、ナッティーな感じが感じられないところからそう感ずるのかもしれない。

【味】味の方は、以外にドライでピリピリとしており、熟成感もほどほどで、香に感じた「わざとらしさ」はすこしもかんじられない。

 

 ★★★ [NO.]  119.8 山崎  11年     62.5%   ★★★

【香り】 やさしく、さわやかな香りにみたされる、11年熟成のわかさはいっさい感じられない。ただしやや単純な香りである。

【味】酸味とピリピリとした味でシャープな印象。ドライでエステリー、しぶみや、古い、といった暗いかんじがいっさいない。

 

 ★★★ [NO.]  119.9 山崎  18年     48.0%   ★★★

【香り】 枯れたかんじ、古いかびた暗いかんじがあるが、しだいにエステリーで甘い香りがたってきて、湿った印象とはならない。

【味】熟成からくるエステルの香り。その後古樽の口に引っかかるような渋みの印象がひろがってくる。

新旧とりまぜた、新感覚のモルトといっておこう。文字にするとマイナーな印象を受けるが、うまいモルトである。

 

 ★★★ [NO.]  120.3 白州  14年     56.4%   ★★★

【香り】 ジャーキーやピートが強くたち、アイラモルトにまじっても対等に勝負できる。ただシャープといったかんじよりは、やさしいイメージである。

【味】フルーティーでピートが強い、テステリーな香りもつよくバーボン樽熟成であろうか。

エステリーを強く感じさせるところが、サントリーの個性である。