Connoisseures Club -- May. 2006 --

BRORA

 

2006年5月度 コニサーズクラブ
テーマ:ブローラ
2006年5月28日 Stand Bar

テイスティングノート  山崎 白秋記

 今月のお題は、「ブローラ」である。モルト会のメンバーのなかでは1,2の人気を争う蒸留所である。
 そんなブローラであるが、なかなか良いことばが飛び交うことなく会は1時間が過ぎようとしていた。
 ブローラといえばフルーツ、酸味、ピートの三拍子が揃い、私も大好きな蒸留所であるが、今回の5本はそんな三拍子があまり感じられない。途中かすかにクライヌリッシュかと感じたこともあったが、特定するだけの個性を感じ取ることはできなかった。
 蛇足ではあるが、ブローラ好きのメンバーKさんもあまり芳しくないことばを発していたことを付け加えておく

 

スコッチ文化研究所名古屋支部第33回例会 5月28日(日) 17:00〜19:00

テーマ:
ブローラ

1.ロンバード 1982-2003 21年 50%

2.モダンマスターズ 1981 58.2%

3.シグナトリー 1982 82.3-03.9 21年 58.4%

4.ソサエティ(SMWS) 61.19 82.3-04.2 21年 59.7%

5.シグナトリー ストレート・フロム・ザ・カスク 81.11-02.11 21年 59.2%

さて、今回の5本を紹介しよう。

***[NO.1] ロンバード   ブローラ     1982-2003   21年    50%   ***

(香り) 上品で軽くエステリー。エレガントでスマート。酸味が心地よいが個性は少ない。 最近テイスティングする長熟ものは、こんなさらさらとして上品な香りのモルトが多いが気のせいだろうか。

(味) まず感じるのは甘さである、さとう水のようである。香りほど熟成を感じないところが残念である。 しばらくすると苦味を感じ、アクセントとなっている。


***[NO.2] モダンマスターズ   ブローラ 1981    58.2%   ***

(香り)  綺麗なかおりである、特定の香りがでしゃばることなくバランスして香ってくる。続いて出てくるのは酸味である。奥には硫黄かフェノールの香り。軽いピートの香りもかんじることができる。

(味) 香りとは裏腹にこげたゴムの味わいで、明らかにシェリー樽熟成の個性である。ややピートも感じられる。苦味をともなうフィニッシュ。


***[NO.3] シグナトリ  ブローラ  cask no.416  1982-2003  21年  58.4%   ***

(香り) トップノートはキャラメルである、酸味の香りがあとを追うように感じられる。しばらくすればバタースカッチの香りとピートが付加される。バーボン樽熟成のモルトであろうか。

(味)  非常にドライである。さらに口に含んだ印象はジンジンとするもので心地よいものではない。 続いて、ややこげたゴム、あるいはイガイガする、軽いピートなのかもしれない。

***[NO.4] SMWS  ブローラ 61.19 1982-2004   21年   59.7%   ***

(香り) さわやかで青空のようなかおり。さらに香りをかいでいるとフルーティーでいっぱいになる。しばらくすればキャラメル香も感じられるが、奥には臭みをかんじる。 グラスを回していると、甘いバニラの香りもでてくる。

(味) あじわいはドライである。ブドウ系のくだものが口いっぱいになる。ドライではあるがやや甘さを感じる。フィニッシュはややひねた香りが残る。

***[NO.5] シグナトリー ブローラ  ストレート・フロム・ザ・カスク  1981  21年 59.2%   ***

(香り) さわやかでエレガント。突き抜けたさわやかさ。気持ちのよい気分にさせてくれる香りである。

(味)  口に含んだ瞬間ジンとする。ぶどうの個性が強い。辛く苦い、とっつきにくいが側においてじっくり味わってみたいモルト。 ボウモアとは違った化粧品香が感じられる。

 


コニサーズクラブBBSより

★<タイトル> ブ、ブローラ!?

▼投稿者/ 惹樽(管理人)  2006年 06月07日 18:21

補習も終わったようなので、先月のネタで一発。

自分が持ち込んだボトルもあったので、ブローラの可能性があることが分かっていたのに、途中までさっぱり分かりませんでした。今回感じたことは…

ブラインドテイスティングの場合は特に「他人の意見に影響されやすい」ということ。比較的ネガティブな反応が多かったので、4番目のソサエティが出てくるまで「美味しい」という言葉が出せませんでした。

もうひとつは、最初の1杯の印象が先入観を植え付けるのではないかという点。2杯目以降をテイスティングするときにどうしても共通点を探しにいってしまうので、最初の印象を引きずってしまうようです。

最初のロンバードのブローラは私も好印象を持っていたのですが、どうもモルト会ではやたらハードルが高くなるようです。

それにしても、ネタが分かってきたときのKさんのあわてぶりは本当に可愛かった(彼はすごくいいキャラしてますよね(^_^) そういう意味でもとても楽しい会でした。


▼投稿者:博雅堂主人 投稿日:06月07日20:12

遅ればせんがら昨日、補習に臨みました。

最初は甘さが印象的でアイラ、アイランドは無いだろう…、と思ったのですが、3杯目になるころに次第にピートを感じるようになってきました。

まさかアイラ?あるいはキャンベルタウン?と揺れ動きましたが、ビッグネームのヒントにクライネイリシュではないだろうか?等など、頭の中は蒸留所名が浮かんでは消える。

全体に長熟成だが21年が4本も揃っている、に気が付くべきなんでしょうね。

お気に入りの持ち込みネタを本人が貶し続けた、のマスターの再度のヒントにKさん=ブローラ?

事程左様にブラインドでの味や匂いの接し方は難しいのだ!と再認識。私も、やりかねませんね。


▼投稿者:惹樽 投稿日:06月08日16:42

この会にずっと参加してきて良かったと感じる理由の一つとして、間違えることがちょっと恥ずかしくはあっても平気になったというか、間違っていても、とにかく口に出したほうが楽しいと思えるようになったことがあります。

正しいことしか言ってはいけないと構えている人を見るとちょっと可哀想に思える。自らの勘違いを楽しむなんて、そうそうできる事ではありません。ブライドテイスティングで銘柄が当たったとしても、それがなんぼのもんじゃ!てなもんです。


▼投稿者:山崎白秋 投稿日:06月08日17:11

クライネリシュはあってもブローラではないと思いました。