<ソサエティ日本支部10周年> 03.08.29 惹樽

今年はザ・スコッチ・モルト・ウイスキー・ソサエティ(SMWS)の日本支部10周年ということで、9月に記念イベントが予定されている。

SMWSはスコットランドのエジンバラで設立されたスコッチ・モルト・ウィスキー愛好家の会員制組織で、米国やヨーロッパなど世界に14支部を持ち登録会員は3万人を越えるとのことだ。

簡単に言えばモルトウイスキーを樽で買い付け、ヴァッティング(複数の樽をブレンドすること)、加水、着色などは一切しないでボトリングした純粋なシングルカスク(樽)のモルトウイスキーを会員に販売することがその目的となっている。

年4回送られてくるボトルリストに蒸留所名の記載はなく、独自の蒸留所ナンバーがつけられている。私は3年ほど前に入会したのだが、ボトルリストのテイスティングノートを読むだけでも楽しく、あれもこれも欲しい状態になって毎回悩んでいる。またリストの送付に時期を合わせて行われる試飲会で欲張って酔っぱらってしまうのが通例となってしまった。

実は「スコッチ」というのはある意味で「看板に偽りあり」で、特にNo.116以降はスコットランド以外の蒸留所となっている。そして今回10周年に合わせるようにボトリングされることになったのが、サントリーの山崎蒸留所(No.119、大阪府)と白州蒸留所(No.120、山梨県)である。

昨年リリースされたニッカの余市蒸留所(No.116、北海道)と合わせて日本の3蒸留所が選ばれた訳であるが、この勢いで行くとまだまだ続く蒸留所も出てきそうで、大いに楽しみである。

実はつい先日(9/23)にコニサーズクラブのメンバー5人で山崎蒸留所の「原酒テイスティングツアー」に参加したのだが、大変レベルの高いモルトが出てきて、なるほどソサエティのテイスティング・パネラーが驚いたのも当然と感じた。

サントリーの説明によると、シングルカスクとして出荷できる樽は1000本に1本程度とのことなので、ソサエティの会員は大変な贅沢をしていることになる。山崎蒸留所での記念イベントには私も参加する予定だが、さらに厳選されたカスクのものが出てくるであろうことは想像に難くないので、大いに期待しています。