<焼酎ブームに想う> 04.02.14 惹樽


行きつけの酒屋さんの話では、焼酎ブームはますます加熱しており、以前は人気銘柄を仕入れるときに抱き合わせで仕入れされられた(例えば「魔王」1本に他の焼酎も一緒に6本というように)ようなものまで、入ってこなくなったということだ。また特に、いも焼酎の人気が高いため、原料のいもを輸入して増産している生産者もあるという。

確かに最近の焼酎は「いも」のものでも、独特のにおいも臭みと言うよりも香りと感じられ、また味わいにも深みを感じるような、質の高いものが増えているようである。しかし私にはやはり焼酎の味わいは基本的に単純で、銘柄の間に大きな差違はないように思えるのだ(ほとんど飲んでいないので、思いこみもあるかもしれませんが)。

焼酎は本来、値段も安い庶民のお酒であり「安くておいしい」ものを探していたような以前からの焼酎ファンは、人気銘柄にプレミアがつくような現状に、おそらくは苦々しい思いを抱いていることだろう。少量生産で入手困難ということならまだしも、原価の安いものが高い値段でしか手に入らないというのは健全なことではない。

いずれブームは治まる時がくるわけだが、そこで何が起きるのか注目していきたいと思う。ある程度の淘汰はやむを得ないところであろうが、良いものが手に入りにくいという状況だけが続くようなことにはならないで欲しい。

また今回の焼酎ブームの火付け役の一人は、誰もが知っている有名ソムリエの某氏ですが、彼がシングルモルトに口を出すようなことにならないことを祈っています。