<kin-san の上海レポート>  kin-san(博雅堂主人) 2004.4.27up

春の上海で自力更生

好きな上海を旅行社にいっさい頼らずに旅行したい!!が今回の自分に課したテーマ。2月の杭州・紹興でガイド案内の食事の不味さと、つまらない所引きずり回しの刑にホトホト愛想が尽きたため。飛行機チケットだけ取り、ホテルは気に入った静安賓館という閑静でクラシックな佇まいのホテ ルをネットで予約し、空港⇔ホテルの移動も乗合バスと地下鉄利用。

その点は順調にいったのですが、同行7人の内の一人がバスの中に鞄を忘れてきてしまったり、帰国手続きもすべて終わり搭乗口で名古屋行の便を待っていたら、西安から来るはずの飛行機が6時間も延着。一旦空港内から出され、郊外のホテルまで待機のためバス移動させられる非常事態も経験させられる羽目に。しかし車内に忘れた鞄もなんとか無事戻り、名古屋にもその 夜には戻ることができ、結果はどちらも良い方向に風が吹いたのですが、一時は駄目か!とも・・・。緊急事態用中国語も習得せねば!!

馴染みのレストラン「三得利酒家」は、やはり好吃!!今回、初めての春の上海でしたが、着いたその日の夜に、上海に住んでいる恩師「文戈」母 娘をお招きして総勢9名で3階の部屋に陣取り、次々と料理を注文するのだが期待を裏切らない。特にモヤシのスープ、蛋炒飯(卵チャーハン)、ア サリのスフレは最高でした。延々9人で2時間半も食べまくって全員の支払いが200元(約2千5百円ぐらい)で済んでしまうのだから改めてビッ クリ!だからなんども足を運びたくなる訳なんです。

また今回、四川料理の高級レストラン「梅龍鎮」で初めて食べたけど、味は三得利酒家のほうが美味しいと思いました。ガイドブックには美味しい 店として良く紹介されていますが、高すぎるのには驚かされ、一人が410元、7人分合計2870元(約3万7千円)の支払い。麻婆豆腐と干焼大 蝦(海老チリ)は確かに美味しかったが炒飯や水晶蝦仁、フカヒレとえびのスープは取り立てて言うほどではない。28倍も高い値段の割りには味は 期待外れ。

 

今回のメインテーマは上海音楽院の見学。実は昨年まで中国語を教えて頂いていた文戈先生のお母さんが、音楽院の声楽科の名誉教授でいらっしゃる ので、その伝を頼って学内見学をお願いしたところ、快く引き受けて下さったため実現した訳です。中国の名門音大の施設見学は普通では見ることは できないらしいですが、コネクション社会の中国では紹介者があればかなりなところまで拝見可能に。

20階建の主楼が中心に配置され、楽器博物館、演奏会用ホール、楽器製作工房などがありました。キャンパスはゆったりとした雰囲気。 楽器博物館も館長自らの説明と同時に彼は二胡の名手でもあり、その演奏が我々のために事務室でのライブ演奏会となるおまけも。校内の演奏会ホー ルも見学でき、内部はシュー・ボックス・タイプの響きの良い空間で照明設備も日本で良くあるものでした。 楽器庫にはスタインウェイとファッツオリが備えられていたが整備の状態はあまり良くなかったです。練習室から聞こえてくるピアノの音は楊琴?と 間違えてしまったほど。

東京芸大と同じく西洋音楽部門と伝統音楽部門が共存しており、アンサンブル練習室も両方が別々の部屋で練習できるようになっていました。学内コ ンサートは頻繁に催されている様子。 楽器製作工房は、ヴァイオリン、ハープの製作をしている様子を見ることができた上に工作者と会話もできました。全部手作業で削ったり組み立てた りのシンプルな道具での作業が懐かしい感じで良かったです。ハープなどは何百とある部品の全てが手作業で調達されているそうで、僕にとっては非常に興味深い光景でした。

※下の写真は手作りグランドハープの音程を変える為の部品がずらりと並んでいるところです。

音大の入り口の両側には楽器屋とCDや楽譜を売っているお店が何軒もずらりと並んでいるのにはビックリ!!その中の1軒、スタインウェイのショ ールームに入り試弾させてもらったりしましたが、値段は日本のそれと同じだったので現地の物価からすればすごく高価になるわけです。本当に売れるのかなー?!

上海には東台路骨董街というアンティークショップが集まったエリアに、様々なインチキがらくたショップが並んでいる場所があり、今回も染付の鳳 凰の図柄のお皿をGETし、大不同天山茶城というお茶関係のショップが100店舗も集まった場所で中国茶を色々買い漁った上に、高価な寿山石製 (石印材として有名な軟玉)の急須も購入して散財三昧。上海には中国中から物が集まってくるため買い物の誘惑はかなりなもの!!財布の紐は緩 みっぱなし。

上海雑技のチケットが1月には100元だったのに今回は200元に値上がり。馴染みの紹興料理の沈永和が閉店していたり、南京路の景徳鎮瓷器の ショールームが無くなっていたりと、わずか2カ月の間の変化は大きいです。これからも上海はどんどん変貌して行くのでしょう。でも上海は何度 行っても魅力に溢れた町です。