スコッチ文化研究所名古屋支部活動報告(2003年) 2005年分  2004年分

スコッチ文化研究所本部のホームページに掲載された活動報告と会報「スコッチ通信」の支部だよりの原稿です。


●スコッチ文化研究所名古屋支部第4回例会/2003年12月28日 Stand Bar

名古屋支部の第4回例会&テイスティング会、そして記念すべき60回目&5周年を迎えたConnoisseures Clubのテーマは「グレンリベット」で、今回もシングルカスク&カスクストレングスの5本を例によってテーマを明らかにしないでブラインドテイスティングしました。

1.シグナトリ Vintage 1976 25年 56.5%
2.ダグラスレイン Old & Rare 33年 57.4%
3.エイコーン Natural Malt Selection 27年 58.65%
4.ソサエティ 2.48 13年 59.4%
5.ソサエティ Special Bottling 2.38 34年 65.3%

※テイスティングノート  http://www.malt-club.com/club/cc0312.html

13年の1本を除き、25年以上の長期熟成物で、特に5.は一部のソサエティ会員だけに配られた非売品ということで、記念の回にふさわしい豪華な顔ぶれとなりました。

1.2.5.の3本がシェリー樽熟成ですが、それぞれ味わいが異なっており、3.4.の2本もかなり個性的なモルトだったため、参加者は同一蒸留所のものであることが、なかなか分からなかったようです。蒸留所名を明かす前にオフィシャルの12年を出すという趣向だったのですが、ほとんどの方が「?」状態でした。

私自身は、Old & Rare が非常に美味しいと思ったのですが、参加者の意見が分かれたのも今回の特徴でした。またグレンリベットがバラエティに富んだモルトを造っていることが分かり面白い経験となりました。


●スコッチ文化研究所名古屋支部第3回例会/2003年11月23日 Stand Bar

名古屋支部の第3回例会&テイスティング会のテーマは「スコッチ以外のモルト」で、シングルカスク&カスクストレングスの5本を例によってテーマを明らかにしないでブラインドテイスティングしました。

1.クーリー(アイリッシュ)14年 ソサエティ 117.2 48.3%
2.ランマロウ(ニュージーランド)10年 ケーデンヘッド 50.5%
3.山崎 10年 ソサエティ日本支部10周年記念ボトル 119.4 58.1%
4.クーリー 10年 ケーデンヘッド アイリッシュ・シングルモルト 59.8%
5.軽井沢(メルシャン)12年 シングルカスク原酒 No.7410 61.3%

※テイスティングノート  http://www.malt-club.com/club/cc0311.html

今回も先回同様の変化球でしたが、種明かしするまでテーマがばれなかったのでまずますだったかなと思っています。

1. 3. はスタンドバーでも人気のあるモルトで、特に山崎はホームページのリストに載る前に売り切れ寸前ということになってしまいました。 確かに上出来のアイラに思えてしまう何度飲んでもおいしいモルトで、残念ながら売り切れですが、似たようなものならサントリーのオンラインショップで手に入ります。

5. もかすかなピートとほどよいシェリー香がうまくバランスしたドライなモルトで、6000円そこそこという値段からするとコストパフォーマンスが大変高いと思います。

クーリーとランマロウはどちらも優しい感じで個性が判りにくい(でもスペイサイドではないかという意見が出なかったのは皆さんさすがです)のに対し、日本のモルトの方が飲み手に対するアピール度が高いという結果になりました。


名古屋支部だより(スコッチ通信 No.17 2003.12.15)

初めての支部だよりですので、名古屋支部設立にいたる経緯をご紹介します。 支部の母体となったConnoisseures Clubの第1回は1998年12月13日に開催されました。1回だけ休みましたが毎月開催してきましたので、12月には60回目ということになります。

今年になってスコ文研の支部にして、もっとひろく参加者を募ろうという話になり、9月28日に正式発足しました。わりに早い時期からネタを明かさないブラインドテイスティングのスタイルと、毎月第4日曜日開催が定着しました。また蒸留所見学なども行っています。

名古屋支部の第2回例会&テイスティング会のテーマは「名無しのアイラ」。蒸留所名がラベルに書かれていないアイラ島のモルト5本を例によってテーマを明かさないままブラインドテイスティングしました。

1.スコティッシュシークレット アイラ19年 49%
2.ブラッカダー スモーキンアイラ 55%
3.ファーランイル 1991 12年 56.7%
4.アイリーク・カスク 58%
5.スコッチモルト販売 クラシック・オブ・アイラ 58%

活動内容についてはホームページに詳しいレポートが載せてあります。他支部の方の参加ももちろん大歓迎です。またHPにはBBS(掲示板)もありますので、そちらにも自由に書き込んでください。また名古屋へお越しの際はぜひお立ち寄りください。

連絡先 名古屋市中区栄3-12-32 レジャーセンタービル1F Stand Bar

 Tel 052-241-9301 http://www.malt-club.com/club/index.html


●スコッチ文化研究所名古屋支部第2回例会/2003年10月26日 Stand Bar

名古屋支部の第2回例会&テイスティング会のテーマは「名無しのアイラ」。

蒸留所名がラベルに書かれていないアイラ島のモルト5本を例によってテーマを明かさないままブラインドテイスティングしました。

1.スコティッシュシークレット アイラ19年 49%
2.ブラッカダー スモーキンアイラ 55%
3.ファーランイル 1991 12年 56.7%
4.アイリーク・カスク 58%
5.スコッチモルト販売 クラシック・オブ・アイラ 58%

※テイスティングノート  http://www.malt-club.com/club/cc0310.html

3.と5.はラガヴーリンであることが公表されていますが、他ははっきりしません。

1.はこの中では全く異質で私も以前に買ったものをこのとき初めて飲んだのですが、かなり意表をつかれました。とても軽く、かつフルーティーなアイラということで、イニシャルがB(メジャーなBを除く)のどちらかで、多分西の方ではないかと話をしていたら、ラベルを読み込んだ参加者の一人が、1881年に造られた蒸留所であることを発見して一件落着。ほとんどピートを感じないので「アイラ」の名前だけで買った人からはブーイングものかも。

問題はスモーキンとアイリークで、ラフロイグ派とラガヴーリン派に分かれて喧々囂々、それぞれのオフィシャルのカスク等と比較する騒ぎとなりました。 私は、味に独特の甘さを感じたのでどちらも前者ではないかと思ったのですが、ラベルに書いてある蒸留所の絵にどちらもキルンが2つあるので後者だろうとか、もしかするとヴァッテドじゃないかなどという話まで出てきました。 酒販店のHP等でも、どちらの説も出ているようなので何が正解なのかは分かりませんが、それもまた良しかと思います。

それにしてもアイラの比較的若いカスクばかり5本はさすがに堪えました。 翌朝になってもピートが舌に残りざらざらして、ピーティーなモルトはしばらく遠慮したい気分です。


●スコッチ文化研究所名古屋支部設立/2003年9月28日 Stand Bar

2003年9月28日、スコッチ文化研究所名古屋支部が急遽設立され、これまで Connoisseures Clubの名称で56回開催されてきたシングルモルトウイスキーの試飲会は、今後はスコ文研名古屋支部の例会を兼ねて開催されることになりました。 今回の参加者は10名、支部設立ということで、初参加の1名も迎えることが できました。

記念のテイスティング会は恒例によりテーマを明かさないままブラインドテイスティングで行われ、今回のテーマは「ポート樽熟成&フィニッシュ」。

1.Glenrothes 1988 Port Finish 13years 43% Chieftain's
2.Laphroaig 1990 Port Finish 13years 46% Signatory
3.Springbank 1989 Port Wood 13years 54.2%
4.Glenfarclas 1981 Single Port Pipe 56.7%
5.Rosebank SMWS 25.25 12years 57.7%

※テイスティングノート  http://www.malt-club.com/club/cc0309.html

同じ蒸留所で揃えることの多いいつもとは異なり、様々な地区からバラエティに富んだモルトを集める結果となり、参加者を大いに悩ませました。 もっとも常連参加者の多くは騙されることに喜びを感じているようですが。

私は最近のConnoisseures Clubでは出品者側に回ることが多くなっているので、テーマは途中でわれてしまうことが多く、ちょっと寂しい思いをしています。(なまじ分かってしまうと言いたいことが言えないので)逆に、Stand Bar のマスターと二人で、あれこれテーマを考える楽しみを味わってはいますが。

こんなテーマでテイスティング会をやってみたいというアイディアを持っている方がみえたら、ぜひ参加して私や他のメンバーを騙してください。道場破りを待ってます。