Connoisseures Club -- Mar. 2006 -- GLEN ALBYN
テイスティングノート 山崎 白秋記 今月のお題は、「グレンアルビン」である。インバネスの3蒸留所はすべて閉鎖されているが、グレンモールなど我々の会ではかねてより評価の高い蒸留所であり、取り壊されているのが残念に思っていた。 今回5本をテイスティングしてみて、グレンアルビンも評価が高かった。閉鎖される蒸留所は総じて個性がなく、美味しくないモルトを作っているものだが、このインバネスの蒸留所については当てはまらないようである。
さて、今回の5本を紹介しよう。 ***[NO.1] レアモルト グレンアルビン 1975 26年 54.8% *** (香り)上品でややエステリーなトップノート。しだいに甘い香りに満たされるが、酸味がほどほどに感じられバランスが良い印象。ミントのさわやかさも感じられる。刺激的な香りがいっさい無いやさしいモルトである。 (味) きわめてフルーティー、そして甘くさわやか。アルコール度数を感じさせない、良い意味での優等生モルトである。
(香り) トップノートは上品でエステリー、やや強めの酸味が心地よい。軽いピートが感じられる。しだいにバニラの香りも顔を出してくる。酸味の個性がここちよくさわやかである。 (味) フルーティーであるが、軽いピートも感じられスペイサイドモルトとはスタイルが違う。 ややドライでわずかに辛い。アルコール感が強く単調である。 しだいに酸味も強くなり、さらにバタースカッチの味もしてくる。バーボン樽の個性もあり、時間とともに充実した味わいとなる。
(香り) ライトでモルティー。軽いピートが感じられる。時間とともに酸味がここちよく、スパイシーなミントが香ってくる。 その後、ヌカの香りが強くなる。ヌカやタクアンの香りは最後まで続く。湿った香りでライトな印象は消える。 (味) やはりヌカっぽい味、潮っぽい感じでもある。無機物を思わせる味。ヌカから連想されるひねた味わい。やはり酸味が利いており、しけてばかりでは無い。 ***[NO.4] マキロップチョイス グレンアルビン 1981-1999 18年 59.6% *** (香り) 上品でミントの香りが強い、ややライト。フルーツの香りが濃厚、酸味が強くベリー系のフルーツである。その後ライトな印象は消え、バタースカッチのまったりした香りが前に出てくる。 (味) すばらしくフルーティーである。しかも酸味とバランスして飲みやすい。ただフルーティーではなく、かすかなピートが味わいを引き締めている。
その後、甘さも感じられるようになるが、ややドライではある。 ***[NO.5]ダグラスレイン オールドモルトカスク 1970-2003 32年 50% *** (香り) 上品なシェリー香で満たされる、こげくささはいっさい無い。フルーティーかつ爽やか、甘い香りもすばらしい。いくつもの香りに包まれて幸せを感じられる。 軽くヌカらしき香りはあるが、潮っぽい香りと感じるかもしれない。しばらくすればバニラ香も香ってくる。 (味)フルーティーかつ甘い。ウッディーな熟成感はすばらしい。ややこげた印象はあるが軽いピートとあいまって嫌味ではない。 味の数も多くすばらしいモルトである。フィニッシュにはややピリピリしたところがある。
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