Connoisseures Club -- Sep. 2005 --

BANFF

 

2005年9月度 コニサーズクラブ
テーマ:バンフ
2005年9月23日 Stand Bar

テイスティングノート  山崎 白秋記

 今月のお題は、「バンフ」である。またまたよくも5本集めたものである。マイナーな閉鎖蒸留所、かつ長熟ものをこれだけ揃えたテイスティング会はそうはないはずである。
今回の5本、香りにバラエティーがあり、蒸留所の絞込みどころか地区さえ特定が難しい状態であった。あえて共通項といえば、ミント、スパイシーといった個性であろうか。

スコッチ文化研究所名古屋支部第25回例会

1.ミルロイ 1980-1998 18年 50%

2.ダグラスレイン OMC 1996-1998 31年 50%

3.シールダイグ 1979-2003 24年 53%

4.ブラッカダー 1976-2001 24年 53.7%

5.スコテッシュ・シークレット スペイサイド 25年 55.6%

さて、今回の5本を紹介しよう。

***[NO.1] バンフ   ミルロイ    1980-1998    18年  50%   ***

(香り)ライトでスパイシー。やや麦芽風味が感じられるがモルティーといえるほどでもない。奥に軽い熟成香。ミントの個性と軽い酸味。

(味)モルティ、若さといえるかもしれない。ドライで単調である。ここでもミントの個性。


***[NO.2] バンフ   オールド モルト カスク   1996-1998   31年   50%   ***

(香り) キャラメル系のまったりとしたトップノート。続いてエステリーな熟成香、酸味もありバランスもよい。 その後、いく種類ものウッディーな香りに包まれこの一杯で満足できるモルトである。シェリーも感じられるがこげくさいほどではない。さらに甘い香りに包まれる。

(味)シェリー樽由来のこげたゴムが口から鼻に抜けていくが、深くウッディーな味が口いっぱいに広がることで「えぐみ」とは感じない。スパイシー。


***[NO.3] バンフ   シールダイグ   1979-2003  24年  53%   ***

(香り)トップノートは醤油、どこからくるものであろうか、醤油である。「たくあん」あるいはヌカの香り。スパイシーでかすかに熟成香。
  しばらくすれば日本酒の吟醸香に似た香りが感じられる。エステリー。 さらに桃の香りやバニラも。

(味) ひねた味。私も感じたがテイスティングしていたとき、周りでもこの表現をしていたのであえて記すが「へん」な含み香。
  えぐみ。ぴりぴりとスパイシー。ひねたフィニッシュ。

 

***[NO.4] バンフ  ブラッカダー   1976-2001   24年  53.7%   ***

(香り)トップノートはフルーティ、高級な梨の香り。やや麦芽風味もあるがいやみではない。きわめてさわやかでハイな気分になれそうだ。

(味)フルーティで甘い。やはり梨である。フレッシュではあるがコクもある。味は香りほど複雑ではない。ややひねたフィニッシュ。

***[NO.5] スコテッシュ シークレット スペイサイド  25年  55.6%   ***

(香り)ライトで香りが立ってこない。ミントかつスパイシー。酸味が心地よい。アルコールを強く感じる。

(味) フルーティーかつ酸味がほどほどきいている。かつ甘味もあり飲みやすい。やはりひねたフィニッシュを感じる。

 


コニサーズクラブBBSより

★<タイトル>まさかのバンフ!

▼投稿者/ 惹樽(管理人)  2005年09月27日(火)16時39分

23日のモルト会、そして25日のソサエティ試飲会、お疲れ様でした。

それにしてもバンフ5本は驚きましたね。以前ハイランドの閉鎖蒸留所をテーマにしたときは、私が提供したブラッカダーが含まれており、記憶の片隅で憶えている味としてくすぶっていたのですが、5本揃えられるモルトという前提条件が無意識のうちに邪魔したためか、最後まで思い浮かびませんでした。

自分の中で評価が高かった、ブラッカダーをNo.1に評価したのがせめてもの慰めですが、全体的なレベルも想像以上で、惜しまれる閉鎖蒸留所のひとつに挙げられると思います。

トップノートにバラエティはあるのもの、口の中にミントのような香りが広がり、ビターに変わっていく味わいは独特で、なかなか得難い個性だと思いました。