Connoisseures Club -- Jan. 2004 --

YAMAZAKI & HAKUSHU

 

2004年1月度 コニサーズクラブ
テーマ:山崎&白州
2004年1月25日 Stand Bar

テイスティングノート  山崎 白秋記

 今月のお題は、最近なにかと話題にことかかない「サントリー」である。 私自身、数年前まではまったくノーマークのモルトであったが、山崎蒸留所に何度かあしを運ぶにしたがい、きっとすばらしいモルトがあるはずだと意識しはじめた。
 そんなときのタイムリーなSMWS認定であった。 SMWSの何本かのボトルを飲んでみてあらためてサントリーの実力を感じたしだいである。
 もちろん今回も、お題は秘密でテイスティングは進められた。

 

スコッチ文化研究所名古屋支部第5回例会

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(他の試飲会のテイスティングノートと比較できます)

1.山崎蒸留所80周年記念ウイスキー 43%

2.ソサエティ 119.9(山崎) 18年 Hogshead 48.0%

3.ソサエティ 120.3(白州) 14年 Bourbon Barrel(Smoky) 56.4%

4.ソサエティ 120.1(白州) 21年 Japanese Oak Butt 60.7%

5.ソサエティ 119.8(山崎) 11年 Spanish Oak 62.5%

さて、今回の5本を紹介しよう。

***[NO.1] 山崎蒸留所80周年記念ウイスキー 15年 43%   ***

(香り)トップノートはきわめて上品でエステリーである。、熟成香も十分にかんじられるがフレッシュでもある。 ももや、なしなどのフルーツの香り、さらにウッディーな香りが心地よい。独特の伽羅の香りも奥に感じる。

(味)フルーティー、&ウッディーでミディアムボディ。ややエステル香が強く、香りに較べると複雑さにかけるところである。

3%のアルコール度数を考えると、驚くほど複雑かつリッチな香りをもったモルトである


***[NO.2] ソサエティ    119.9   山崎    18年    48.0%   ***

(香り) やさしく上品なエステル香、奥にかすかにシェリー香。深々としたぶどう系のフルーツ香。しだいに甘い熟成香につつまれる、リキュールを感じさせる香り。さらに時間がたてばバニラ香も感じることになる。 甘い香りを基調としながら以外にビターな香りもあり、かなり複雑な香りである。

(味)味には香りにあるような複雑な印象はなく、セメダイン系のエステリーな味が口のなかを支配する。かすかにシェリー樽を思わせる味があるが、熟成からくるものかもしれない。 ミディアムボディーでフィニッシュは長い。

バーボン樽熟成とおもわれるが、シェリー樽や、ワイン樽フィニッシュなどの個性もかんじさせる新しいタイプのモルトといえよう。


***[NO.3]ソサエティ    120.3   白州    18年     56.4%   ***

(香り)ピートが強く香る、アイラによくある磯の香りはない。ジャーキーでスモーキー。やはりこのモルトもエステリーな香りが強く、ピートとのコンビネーションがいままでになかったものだ。 ピート香はそれほどシャープなものではなく、攻撃的なところはいっさいない。

(味) やはりピートが強い、なおかつぴりぴり感は強く、アルコール臭も感じられる。 しばらくするとフルーティーな感じがでてきて、エステルも強く感じるようになる。

 

***[NO.4] ソサエティ   120.1   白州    21年     60.7%   ***

(香り)トップノートはやはりエステリーである。奥にはごく軽いピート香とややこげたゴムの香りがある。 時間とともに、キャラメル系の熟成香がでてくる、さらに独特の伽羅の香りがあなたを古都にいざなう。

(味)ピリピリとしたシャープな味だが、けっしてドライにはならない。シェリー樽の個性なのか、軽いピートなのかややこげた印象といがいがした感じがある。 その後、あじわいにも伽羅の特徴がいままでにない個性を主張する。古さ、複雑さがすばらしいモルトである。

 

***[NO.5] ソサエティ  119.8   山崎    11年     62.5%   ***

(香り)ツンと鼻をつくシャープなフルーツの香り、香りの立ちは遅く、しばらくたってからシェリー香がたってくる。その後さらにお得意のエステル香のコンビでまさに総天然色。 甘い香りに誘われるがアルコール度数からくる刺激臭も感じられる。

(味) セメダイン香とかすかなシェリー。奥にはピート由来のいがいがした下触りも。やはりぴりぴりとした刺激もあるが、味わいがまろやかでキツイかんじはない。時間がたてば、年数以上の熟成を感じるようになる。

 

サントリーの個性と問われれば、エステリーを強く感じる香り、ミズナラ樽熟成にゆらいする伽羅の香りということができる。しかしややもするとエステリーな個性は、やりすぎと感じるところもあり、今後エステリーを抑えたボトリングに期待が膨らんでくる。

 


コニサーズクラブBBSより

★<タイトル>有難うございました
 
投稿者/青山労働隊員@横浜支部  投稿日/2004年01月26日(月)18時47分

『Connoisseures Club』の皆様、お疲れ様でした。
先日のテイスティング会へ浜松支部共々、温かく参加を受け入れていただき有難うございました。

正直、ブラインドと言う事でかなり気負って参加したのですが、推理する楽しみを持ちながら絞っていく手法に「これが永く続ける秘訣なのか」と関心しました。 また、機会あれば参加させてください。

PS:山崎白秋殿 こんどはトラップにかからずに行ってみせます!


▼投稿者/ 惹樽(管理人)  投稿日/2004年01月26日(月)19時28分

遠いところをおいでいただき、さらには2次会までご参加いただきまして本当にありがとうございました。

ブラインドテイスティングの楽しみは「推理」ももちろんですが、「新しい発見」というのもあります。これについては拙文で述べておりますので、よろしければご覧下さい。

我々の間では、ぜひ浜松支部の酒味の会にお邪魔しなければということで盛り上がっています。今度は横浜支部、名古屋支部合同で「浜松支部襲撃」というのはどうでしょう?


▼投稿者/ 酒上不埒@浜松支部  投稿日/2004年01月26日(月)21時50分

テイスティング会では大変お世話になりました。
皆さんに温かく迎えていただき、感謝しております。
最後のドンデンは見事なまでの心地よい騙され方で、とても楽しいひとときでした。
また、折を見て名古屋支部にも伺いたいと思います。
改めて、名古屋支部の皆様、有難うございました。

>こんどはトラップにかからずに行ってみせます!
多分私はムリ(爆)


▼投稿者/ 山崎白秋  投稿日/2004年01月27日(火)17時31分

浜松支部、横浜支部のみなさま、遠いところお疲れ様でございました。
ブラインド方式のテイスティング会、気に入っていただけるか不安でしたが、会も盛り上がって成功したのではないかと思っております。


★<タイトル>ソサエティ試飲会のテイスティングノート
 投稿者/惹樽(管理人) 投稿日/2004年01月29日(木)10時06分

山崎白秋さんからメールでいただきましたので、アップしました。
http://malt-club.com/smws/04-01-18.html

今月のモルト会に出た物が3本入っていますね。データを知った上でのテイスティングとブラインドでどんな違いが出るか興味があるところです。もっとも山崎白秋さんは最初の1杯で、ほぼ蒸留所名が分かっていたということですが。

ちなみに、1/18と1/25で重なったのは以下の3本です。 No.2 119.9、No.3 120.3、No.5 119.8(No. は1/25のモルト会での順番) 山崎白秋さんは3本目で確信したということです。さすがですね。


★<タイトル>貴支部訪問の画像

 投稿者/酒上不埒@浜松支部  投稿日/2004年02月01日(日)19時40分

貴支部訪問の際の画像、アップいたしました。 詳しくはこちら