Connoisseures Club -- Nov. 2003 --

OTHER MALT WHISKYS

2003年11月度 コニサーズクラブ
テーマ:スコッチ以外のモルト
2003年11月23日 Stand Bar

テイスティングノート  山崎 白秋 記

 今月のお題は、「スコッチ以外のモルト」である。

今回のテイスティングで改めてジャパニーズモルトのレベルの高さを認識した次第である。ブランドテイストでアイラかアイランズと思ったのであるから間違いはないといえる。

スコッチ文化研究所名古屋支部第3回例会

※ボトル名か写真をクリックするとテイスティングノートのページへジャンプ

1.クーリー(アイリッシュ) ソサエティ 117.2 14年 48.3%

2.ランマロウ(ニュージーランド)ケーデンヘッド 10年 50.5%

3.山崎 ソサエティ日本支部10周年記念ボトル 119.4 10年 58.1%

4.クーリー 10年 ケーデンヘッド アイリッシュ・シングルモルト 59.8%

5.軽井沢(メルシャン)12年 シングルカスク原酒 Cask No.7410 61.3%

さて、今回の5本を紹介しよう。

***[NO.1]  クーリー(アイリッシュ) ソサエティ 117.2 14年 48.3%  ***

(香り)香りの立ちは遅い、ライトボディでシャープな香り。その後甘い香り、水あめのような香りであろうか。 さらに時間をおけば、グレープフルーツのつんとした香りもでてくる。

(味)口にふくむと麦芽由来の甘い香りがひろがる。ただしモルティーな印象はない。そのあとにいがいがとした、軽くスモーキーなしたざわりを感じる。


***[NO.2] ランマロウ(ニュージーランド)ケーデンヘッド 10年 50.5%  ***

(香り)非常にスイートである、上品かつやさしさをかんじる。リフィルシェリーとおもわれる甘いかおりが広がってくる。 その後、軽い熟成香がかんじられるようになる、キャラメル系の熟成香である。さらに時間をおけばバニラ香も香る。

(味)軽いエステル香は、バーボン樽の個性であろうか。先に軽い熟成香を感じたが、時間とともに若さが、顔をだしてくる。香りはよかったのであるが、味の方はやや単純といえる。


***[NO.3] 山崎 ソサエティ日本支部10周年記念ボトル 119.4 10年 58.1%  ***

(香り)第一印象は「くさい」である、もちろんいい意味で。燻製のかおり。重たい、しめった印象。どれもマイナーな言葉であるが、実際の印象は悪くない。
奥にシェリーの香りもあり、深く甘い香りで満たされる。かすかなピート香。 かなりの長熟のアイラであろうか。

(味) ジャーキー、スモーキー。熟成。うまい。
言葉になかなか表現に困るうまさとでもいっておこう。それだけ、ことばにされたことのない味なのであろうか。


***[NO.4]  クーリー 10年 ケーデンヘッド アイリッシュ・シングルモルト 59.8%  ***

(香り)ジーンと薬草の香り。中程度の熟成をかんじ、ややドライ。酸味が香る、オレンジの香りであろうか。濃厚なフルーツ香は明るい気分にさせてくれる。

(味)若さが感じられる。軽いテステル香、バーボン樽の個性が奥にかんじられる。 香りのような熟成感はなく、ブレンデッドのような軽さが感じられる。 その後グレープフルーツが味わえるようになる。


***[NO.5] 軽井沢(メルシャン)12年 シングルカスク原酒 Cask No.7410 61.3%  ***

(香り)こってりとした熟成感がかんじられる、長熟のリフィルシェリーのかおり。こげたゴムは感じられない。ドライでありながら、むせるような香り。その後バニラの香り。
濃厚ではあるが、ひつこい感じはなくなかなか出来のよいモルトである。

(味)甘い、シェリー樽の個性。焦げた味は感じられず、上品である。 軽くピートを感じる、いがいがとした喉ごしが、このモルトの味を引き締めている。


コニサーズクラブBBSより

★<タイトル>スコッチ以外のモルト 投稿者/惹樽(管理人) 投稿日/2003年11月24日(月)12時05分

今月のモルト会のテーマは「スコッチ以外のモルト」で、シングルカスク&カスクストレングスの5本が出されました。

1.クーリー(アイリッシュ)ソサエティ 117.2 14年 48.3%
2.ランマロウ(ニュージーランド)ケーデンヘッド 10年 50.5%
3.山崎 ソサエティ日本支部10周年記念ボトル 119.4 10年 58.1%
4.クーリー 10年 ケーデンヘッド アイリッシュ・シングルモルト 59.8%
5.軽井沢(メルシャン)12年 シングルカスク原酒 No.7410 61.3%

今回も先回同様の変化球でしたが、種明かしするまで今回のテーマがばれなかったのでまずますだったかなと思っています。

1. 3. はスタンドバーでも人気のあるモルトで、特に山崎はホームページのリストに載る前に売り切れ寸前ということになってしまいました。確かに上出来のアイラに思えてしまう何度飲んでもおいしいモルトで、残念ながら売り切れですが、似たようなものならサントリーのオンラインショップで手に入ります。

5. もかすかなピートとほどよいシェリー香がうまくバランスしたドライなモルトで、6000円そこそこという値段からするとコストパフォーマンスが大変高いと思います。

クーリーとランマロウは個性が判りにくいのに対し、日本のモルトが飲み手に対するアピール度が高いという結果になりました。

次回は5周年&60回記念&今年最後ということで、今度は剛速球勝負ということです。どうぞお楽しみに。

▼投稿者/ harazaki 投稿日/2003年11月24日(月)13時26分

皆さん、昨夜はお疲れさまでした。私が帰宅したのは2時過ぎでした。モルト会の翌日が休みだと翌日の仕事のことを気にせず飲めますね。

次回、12月28日のモルト会は記念すべき60回目。どんなボトルがでるか期待しています。