Connoisseures Club -- Sep. 2003 --

PORT CASK

2003年9月度 コニサーズクラブ
テーマ:ポート樽
2003年9月28日 Stand Bar

テイスティングノート  山崎 白秋記

 今月のお題は、ポート樽である。今回も、スタンドバーのマスターの出題で、半年間あっためてきたテーマだそうだ。 ポートというと赤あるいはピンクがかった金色を連想してしまうが、今回だされた5本は、そんな赤系のモルトは一本しかなかったのである、それも赤ワインをおもわせる紅色に近いものであった。
 そんなことで、今回の5本は4本のシェリー樽と1本のアイラ??まったく出題の意図が分からなかったのである。 ポート樽を5本揃え、それもできのよい5本を揃えたところには、毎度毎度、相当の苦労を感じられずにはいられない。

スコッチ文化研究所名古屋支部設立記念

※ボトル名か写真をクリックするとテイスティングノートのページへジャンプ

1.チーフテイン グレンロセス ポートフィニシュ 13y 43%

2.シグナトリー ラフロイグ 1990 ポートフィニシュ 12y 46%

3.スプリングバンク ポートウッド 13y (オフィシャル) 54.2%

4.グレンファークラス 1981 ポートパイプ (オフィシャル) 56.7%

5.SMWS 25.25 ローズバンク 12y 57.7%

さて、今回の5本を紹介しよう。

***[NO.1] グレンロセス チーフテイン ポートフィニッシュ  13年   43%    ***

(香り)ほんのりと香るシェリー香はリフィルシェリー樽であろうか、甘い香りはやさしさをかんじさせるモルトである。ただしそれほど複雑な香りは感じられない。多少アルコール臭を感じさせるところは、熟成がいまひとつといえよう。

(味)やさしいフルーツを感じさせる、スペイサイドモルトの特徴か。 ややしぶみを感じさせるが軽いピートなのかもしれない 。


***[NO.2] ラフロイグ シグナトリー 1990  ポートフィニシュ   12年  46% ***

(香り)ジャーキーの香りが飛び込んでくる、やさしいシェリー香のかおるモルトのあといきなりピート香のつよいモルト。今日はいったいどうしたことか? ピートはやや硬質なもので、ややひねた、かびくささを感じる、アードベックによくありそうな香りである。
そのあと、バーボン樽の個性がでてくる。さらに、ナッツの香りから熟成を感じさせる。最後にバニラの香りも 。

(味)ジャーキーとピートが強く感じられる、相反するがやさしい香りも感じられる。ポートの個性はピートにマスキングされているのであろうか、注意深くしても感じることはできなかったが、やさしい感じを感じたことでポートとつなげておこう。

 

***[NO.3]  スプリングバンク ポートウッド 1979 13年 (オフィシャル) 54.2% ***

(香り)まず紅色に近い色に普通ではないことを感じる。ただしそれほど濃いものではない。 トップノートは、有機溶剤(エチルメチルケトン)の香り、アルコール感も強い。
続いて甘い香りがでてくる、果実100%ジュースの香り、どんな果物かは、わからないが3,4種ミックスされている、このフルーツは非常に個性的で素敵である。赤ワインの香りもある。

(味)フルーティー、奥にいがいがした個性、ピートが以外に強いのかもしれない。加水するとさらにフルーティーになってくる。スペイサイド系のくだものである。

 

***  [NO.4] グレンファークラス 1981 ポートパイプ (オフィシャル) 56.7% ***

(香り)熟成を強く感じる、少し「くどさ」さえかんじる、ボディはビッグである。 シェリー香も香る、さらにトーストの香ばしさも感じられる。アルコール感は強い 。

(味)しぶみがやや強い、軽いピートをかんじる。口の奥にいがいがした味。加水するとスペイサイド系のフルーティーさを感じる。甘いぶどう系であろうか。

 

***[NO.5] SMWS (スコッチモルトウイスキーソサエティー) 25.25 ローズバンク 12年 57.7%  ***

(香り)熟成感が大きい、たいへん上品なシェリー樽の香り、甘くやさしい香り。軽いピート香もある。アルコール感は強い。

(味)酸味を感じる、ここまでテイスティングした感じでは、ハイランドモルトと感じる。つんとやや硬質な個性、フィニッシュはやや甘い。フルーツはごく少ない。ややドライ。

 

 ポート樽のテーマであったが、スプリングバンクの色以外には、ポートの個性をかんじることはできなかったのが正直なところである。樽のバラエティーが広がることは良いここと思う、そんなことでしめくくっておこう。


コニサーズクラブBBSより

★<タイトル>MALT会「お題」 投稿者/博雅堂主人 投稿日/2003年09月28日(日)22時53分

今日のMALT会は1時間近くも遅れて行きながら「2番はあれのあれだよね!」と解ったような発言をいきなりしてしまい申し訳ありませんでした。でも遅れて行ったためか既に5本出ていたものを、色で判断すると「今日はポート樽仕上げがお題なんだ・・・」と推定でき、2番を飲んだ瞬間[Laphroaig 12年 46% Signatory]と解ってしまい、「へーPort樽で5本良く揃ったなー、後はSpring Bank が有ったよなー」と、芋づる式にイメージが発して来てしまいました。多分、最初から1本づつ出されたらかえって迷ってしまったかも知れませんね。いやー怪我の功名でした。

▼投稿者/ harazaki 投稿日/2003年09月29日(月)0時01分

みなさん、お疲れ様でした。この先ポートカスクを5本も飲み比べることがないと思うので 貴重な体験をさせていただきました。

次回はラムカスクでしょうか?スプリングバンク、グラント、 モーレッジ、トマーチン、チーフテンでは、カリラ、ロセス、リトルミルのラムフィニッシュ がでているようです。

▼投稿者/ 惹樽(管理人) 投稿日/2003年09月29日(月)1時12分

今回も私のボトルが2本入っていたので、2本目にラフロイグが出てきた時にポートカスク5本だなと分かりました。

後から出てきた自分のボトル、グレンファークラスとソサエティのローズバンクがいい物だったのでほっとしました。ラフロイグは博雅堂主人さん所有の、きれいなピンク色のものの方が面白かったですね。


★<タイトル>お疲れさまでした 投稿者/りょりょう 投稿日/2003年09月29日(月)15時07分

昨日はお世話になりました。

ブラインドテイスティングも大変楽しかったです。

4年にもわたって毎月継続されていらっしゃるということで、ネタさがしなど大変かと思いますが、がんばってください!

スコ文研の活動も今後繁栄していくよう、お祈りもうしあげます。