Connoisseures Club -- Jul. 2003 --

TALISKER

2003年7月度 コニサーズクラブ
テーマ:タリスカー
2003年7月27日 Stand Bar

テイスティングノート  山崎 白秋記

 今月のお題は、タリスカーである。タリスカー5本、なかなか一度に揃わない蒸留所である。 さらに今回はお目見えしてまもない、オフィシャルのカスクストレングスもテイスティングできたのである。 会の進行は例によってブラインドテイスティングで行われたのであるが、ピートの弱さに最後まで、タリスカーといえなかったのである。シェリー樽の個性を取り去ったスプリングバンクといった印象で、まだテイスティングしたことのない新種のスプリングバンク5本となかば確信していた次第である。

※ボトル名か写真をクリックするとテイスティングノートのページへジャンプ

1.タリスカー 10y (オフィシャル)45.8%

2.キングスバリー ヘブリデーズ 18y 46%

3.OMC タクティカル 22y 50%

4.スコッチモルト販売 ディスティラリィーコレクション 58%

5.タリスカー リミテッドエディション 15y (オフィシャル)60%

さて、今回の5本を紹介しよう。

***[NO.1]   オフィシャル  10年   45.8%    ***

(香り)香りの立ちがかなり遅い、しばらくしてもまだたってこない、そんな個性からドライといったことばがでてくる。かれたアイラモルトとでもいおうか、「あれ今月もアイラ」とおもわず口に出てしまった。
その後、甘さ、上品なフルーツ香がわずかに立ってくる。エチルアルコールを意識することでドライにかんじるのかもしれない。 全体的にバランスは取れており、悪くいえば特徴がないともいえる。

(味)軽くピートをともなうフルーツの個性。ミディアムボディ。味もドライであり、しばしばブレンデッドとかんじるときもある。

ニューラベルになって味は変わっていないといわれているが、記憶にある旧ボトルのタリスカー、オフィシャボトルとかなり印象は違っていた。新旧ボトルの飲み比べをしてみないといけない。


***[NO.2] キングスバリー  cask no.100 1983-2001   18年  46% ***

(香り)トップノートはつんと鼻を刺す硬質なフルーツ香。その後やわらかさがでてくるが、やさしいフルーツ香ではなく、ぶどう系のちょっとツンとした香りである。しばらくすると熟成香がわずかに開いてくる、年数相応のかおりであろうか。

(味)軽くフルーツをかんじるが、トータルでの印象はドライでピリピリとしており、甘味はすくなく硬質なかんじである。ハイランドモルト、あるいはキャンベルタウンのモルトとかんじた。

ここまで、2本テイスティングして、ほとんどピートをかんじない、もちろんタリスカーとは夢にも思わないのである。

 

***[NO.3]  タクティカル(タリスカー)  オールドモルトカスク 1979 22年 50% ***

(香り)上品で繊細な熟成香、軽いエステル香。こってりとしたところはないが、かなりの熟成をかんじる。
しばらくすると、甘いかおりや、バニラ香がただよってくる。

(味)非常に軽いピートを感じる。上品、かつ繊細な味、かるくシェリーをかんじるときもある。

ピートの効いていない、熟成したハイランドあるいは、アイラモルトとかんじられた。

 

***  [NO.4] スコッチモルト販売   1979-2000 58% ***

(香り)軽いピートの香り、アルコール臭が強く、かおりがなかなか開いてはこない。しばらくすると甘くキャラメルのかおりがたってくる。1時間位たって、熟成香がかんじられるようになる。
樽香は、古い樽の印象、あるいは、カビの印象。ドライな香りのなか、この古さが全体の印象を引き締めている。

(味)軽いピート、あるいは、シガーの印象。味の方もドライであり甘味、酸味はごく少ない。さらに口の中がぴりぴりするシャープさを持ち合わせている。

世渡りの悪いモルトとでもいおうか、しぶく、照れ屋のこのモルトは一般受けしないかもしれない。

 

***[NO.5] オフィシャル   リミテッドエディション   60.0%  ***

(香り)うまい、香りから、味を想像すると思わず「うまい」といってしまう。熟成大である、それでいてくどくない。その後、海の香りあるいは、オゾン香のような「なまもの」の香り。

(味)ドライでシャープ、熟成、軽くピート。

たしかにうまいのであるのだが、タリスカーのパンチ、無骨な個性はどこにいったのか。望みすぎとは思うが、タリスカーには期待が大きすぎるのである。


コニサーズクラブBBSより

★<タイトル>お疲れ様でした。7/27 投稿者/harazaki 投稿日/2003年07月28日(月)1時18分

今回始めて参加させていただきましたharazakiです。 ブラインドでモルトを飲む機会は初めてで、これほど味覚は視覚や情報に影響されることを知り、十分の舌の記憶のいい加減さに嫌気が差しております。 時間が許せば次回も参加させていただきたいと考えておりますので、その際はよろしくお願いいたします。

▼投稿者/ 山崎白秋 投稿日/2003年07月28日(月)18時34分
次回も是非参加してくださいね、2次会もおいしいものが食べられるんですよ。 今回のタリスカー5本は意外でした、博雅堂主人殿にしてやられました。

▼投稿者/ 惹樽(管理人) 投稿日/2003年07月28日(月)19時08分
harazaki さん、ありがとうございました。 ぜひ次回からもお越しください。 ほんとに今回は一本とられましたね〜。

▼投稿者/ harazaki 投稿日/2003年07月28日(月)19時44分
毎週、日・月・火曜日は休肝日なのですが、今日はメールをチェックしながら早速タリスカー10年(OB)を試して舌に記憶させます。「鉄は熱いうちに打て」?


★<タイトル>味は値段に比例するか? 投稿者/博雅堂主人 投稿日/2003年07月29日(火)23時08分

先日のMALT会に「Talisker」を4本出品しましたが、購入当時の金額が記録してあるので参考のためお知らせしておきます。

2-HEBRIDES (Kingsbury's) 46% 18年 \6,980.
3-TALISKER (O.M.C.) 50% 22年 \9,200.
4-TALISKER (スコッチモルト販売)58% 1979年 \8,900.
5-TALISKER (オフィシャル) 60% 15年 \14,700.

年数的には大きな差はないのですが、15年と言われているオフィシャルCASKが一番高価で、現在は更に値上がりしており\19,800.にもなっておりビックリです。

幸いにもこの物の味は納得できたから良かったものの、でも4番よりも若いのに2倍近い値段になるとなると、気に入ったからもう一本買っておこうということができない。

希少価値だから高くなっているのか、美味しくするために工夫したから高くなっているのか、人気が有り、ほって置いても売れるから高いのか、良く分からないですが、量販店での値段は意外と味に比例しているような場合が多い気がします。 年数が古いのに、CASKなのに安いものは意外とがっかりさせられています。

反対に若いのにやたら高いのは、それなりの理由があって、外れが無い場合が多い気がします。我々にとってはCASKで年数が20年ぐらいで8千円ぐらいで購入でき、なお美味しかったら最高なんですがね、ホントに・・・・

▼投稿者/ 山崎白秋 投稿日/2003年07月29日(火)23時49分
私は、”4”がいちばん好みでした。ただし、3〜5の差はかなり少ないと感じました。

▼投稿者/ 惹樽(管理人)?[HOME] 投稿日/2003年07月30日(水)0時04分
私は、5→3→4 の順でした。見事に値段通り(^_^;)